写真家鈴木清の傑作写真集「天幕の街」です。購入以来大切にしてきましたが、今回手放すことにしました。カバーの背に軽いヤケがありますが、40年近く経っている本にしてはかなり綺麗な状態だと思います。頁内にめくりシワなども見られません。以下の解説文は鈴木清写真展の図録『百の階段、千の来歴』より抜粋しました。題名の「天幕の街」は、幼少期に炭鉱の町で父親に連れられて見にいったサーカスの鮮明な記憶に由来する。その記憶をたどるように撮影した、旅回りのサーカスの道化、芸人、曲芸師とは別に、もう一人の漂泊者、横浜郊外にある鈴木の近所を徘徊していた路上生活者、浦崎哲雄を交友の中で二年あまりにわたって撮影。「サーカスの天幕」、「Ａ・Ｑ・Ｕ・Ａ　水声」、「腐爛風景」、「路上の愚者・浦崎哲雄への旅　1979-1981」の四部による構成で、鈴木一誌がデザイン・装丁を手がけ、写真の間の結びつきや、写真のクローズアップ、反復などの手法により、流れや漂う感覚が作り出されている。鈴木がデビューを飾った『カメラ毎日』の編集者だった故山岸章二に捧げられている。英題「Mid Games」はジョン・レノンの曲名に由来する。1982年発行リーフレット付遊幻舍